公演が急に無くなった日にけいこをする役者たち=福岡市早良区の劇団風の子九州 学校を回って子どもたちに芝居を見せる全国の児童劇団が経営危機に陥っている。猛威を振るう新型の豚インフルエンザの影響で、学校から公演キャンセルが相次いでいるためだ。補償がないケースが大半で、損害額が5千万円を超す劇団もあるという。業界団体は国に支援策を求めている。 「電話が鳴るとドキッとする」。福岡市早良区に事務所がある劇団風の子九州の末広幸子さん(59)は徒労感をにじませた。「1日1カ所はキャンセルの電話がある」 新型インフルによる学級閉鎖や予防措置を理由にしたキャンセル数は9月25日〜12月14日の公演で小中学校24校と保育園3園、損害総額は11月19日現在で約880万円に上る。 けいこ場にいた役者の山(さ)ン本(もと)佐助さん(47)は2日続きで公演が無くなり、「けいこくらいしかできない」。中山由美さん