NECが文部科学省の10ペタFLOPS(毎秒1000兆回の浮動小数点演算)「次世代スーパーコンピュータ」の試作・製造を前に突如、白旗を掲げた。スーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」で2011年6月に世界第1位獲得を狙う日本政府の野望は、残された富士通に期待するしかないという情勢になった。 米IBMも同時期のTOP500で1位を目指し、2億4400万ドル(1ドル=100円換算で244億円)の支援金を得て米国防総省向けにスカラー型で10ペタFLOPSの「IBM PERCS(コード名)」を試作中だ。富士通は45ナノ技術の特注プロセッサであるSPARC64VIIIfx(同Venus)、IBMは同技術の汎用POWER7を用い、世界標準といえるスカラー型スパコン競争で一騎打ちの様相。両者共に残る2年に追い込みをかける。 NECが同プロジェクトから降板した理由は投資額にあるとされている。0