最近、急速にMMT(現代貨幣理論、あるいは現代金融理論)に注目が集まっています。 ただ内容をみると、肯定論がひとつに対して否定論がいつつ、といった具合でMMTの有用な主張が十分伝わっていないように思います。 そこで今回はMMTを知るために必要なことをお伝えしたいと思います。 それは現実の貨幣・信用創造の仕組みと、貨幣市場の枠組みの2点、これだけです。 なぜMMTを知るためにこの2点が必要かといえば、現在の経済学(主流派とよばれる)の教科書ではこのふたつが誤って書かれていて、このためにMMTの正しい理解にたどり着けない方が多々でてくるというわけです。(図表1) 図表1 主流派経済学と現実 1.現実の貨幣・信用創造の仕組み 主流派経済学の教科書では貨幣について次のように説明されています。*1 貨幣は、その物自体に価値がなくても貨幣としての機能を果たすと認識されれば貨幣となる。 1ドル紙幣はジョ