政府主導のグローバリズム政策のもと、「改革」の名により農業・農協は〝解体的〟改革を迫られている。本当にこの道しかないのか。日本の農業の行方、それに対する農業協同組合の役割と責任は何か。評論家の中野剛志氏、元JA全中専務(現在、蔵王酪農センター理事長)の冨士重夫氏、それにコーディネーターとして東京大学名誉教授の谷口信和氏を加え、ディスカッションする機会をつくった。 左から中野剛志氏、富士重夫氏、谷口信和氏 ◆リーマンショック機にエリートへの不信高まる 谷口 いまの日本の政治は極端な官邸指導で、政府職員や民間の情報がまったく活かされていません。それが綻びて膿を出しているにもかかわらず政治、経済、外交でまともな成果がないまま突っ走っています。他方で、一定の内閣支持があり、国民がついていっています。これはいったい何なのか。その中で農業の問題も考えたい。 農協はたたかれていじけている印象ですが、たた