2019年8月22日のブックマーク (1件)

  • 72歳の父が35歳の長男を殺すしかなかった理由 「息子の病気があんなことをさせた」

    精神障害になって16年、急激に悪化した よく晴れた秋空は、ほぼ無風だった。 2017年秋、男性(81)は、関東で行われたマスターズ陸上大会のトラックに立っていた。スターティングブロックを少しだけ調整し、100メートル先のゴールを見据えてゆっくりと息を吐いた。80代になって、初めてのレースだ。 バン——。号砲とともに勢いよく飛び出すと、小さな歩幅ながらピッチを上げていく。隣のレーンの選手との距離が少しずつ開いていったが、足の回転は落ちない。最後は腕も伸びきり、少し顎も上がったが、その組の2着でゴールラインを通過した。 ベストタイムからはほど遠い記録。男性は記者を見ると、「全然ダメだったね」とはにかんだ。それでも帰り際に銀メダルを授与されると、感慨がこみ上げたようだった。「人生で初めて。もう、こんなのは縁がないと思っていたから」。 長男とかけっこした記憶が、鮮明によみがえっていた。 桜が咲き始

    72歳の父が35歳の長男を殺すしかなかった理由 「息子の病気があんなことをさせた」