「前編」では、有機EL技術を開発したコダック*と、それを追撃した日本の有機EL材料メーカーや電機系企業の動向に注目し、「中編」では海外企業(日本企業も含む)との共同開発や合弁を事業化につなげた韓国企業のしたたかな特許戦略に注目してみました。 「後編」では、照明事業開発にかじを切った欧米企業と日本企業の動向に、それぞれ焦点を当ててみたいと思います。 “有機EL照明”へのシフトを進める欧米日の各企業 コダックの積層機能分離型有機EL(1987年:Tang氏ら*)が学会発表されてから、各社の事業開発競争が始まったわけですが、当初有機ELに取り組んだ米欧日の各国企業は技術開発投資力を失い、ディスプレイを目指した米欧日の企業は2000年代半ばまでに順次撤退しました。このとき、有機EL技術開発に踏みとどまることにした米欧日の企業は有機EL照明事業開発に目を転じ、有機EL材料を手掛けてきた日本の材料メー