2015年7月26日のブックマーク (2件)

  • 全米が泣きそう『紋切型社会』 - HONZ

    「若い人は、当の貧しさを知らない」「会うといい人だよ」「うちの会社としては」「誤解を恐れずに言えば」……う、言っちゃってるよ。使っちゃってるよ。そう自らを反省してしまうあなたこそ読むべき一冊。さて、「言葉で固まる現代を解きほぐす」とはどういうこと? 決まりきったフレーズがいかに思考を硬直化させているか。よくあるフレーズを例に挙げて、それぞれの言葉の背景にある社会の症状を読み解く。内容を書くとそうなる。だから、展開して行くストーリーがあったり、衝撃的新事実が明かされたり、というものではない。むしろ、テレビを見ていて感じていた違和感を、頭のいい毒舌の友達よ、シャキッと小気味よく斬ってくれてありがとう。そういう類いのだ。小田嶋隆さんのコラムと、そういえば読後感は似ているかもしれない。 話題の一冊で、すでに書評も数多く出ているのでご存知の方も多いだろう。また、刊行が4月ですでに3刷とのことで、

    全米が泣きそう『紋切型社会』 - HONZ
  • 報道するは我にあり『騙されてたまるか』 - HONZ

    ブラジルへ飛ぶ。逃げ得は許さないと、日事件をおこして出国逃亡した三人のブラジル人の犯人を追って。警察関係者ではない、一人のジャーナリストだ。居所の手がかりは多くなかったが、現地テレビ局の協力を得て、見事に犯人を見つけ出す。彼らは何ごともなかったかのように暮らしていた。うち二人は交通事故による死亡事故容疑者。残る一人は強盗殺人犯。最後の男と対峙した時、命の危険にさらされる。 日とブラジルの間に犯人引き渡し条約はない。しかし、日から国外犯処罰の要請を受けたブラジルの検察により、三人の犯人は禁固刑に処されることになった。この調査報道がなければ、おそらく三人とものうのうと暮らし続けていたことだろう。 そのジャーナリストの名は清水潔。『桶川ストーカー殺人事件』と『殺人犯はそこにいる』という、これまでの二作を読んだことがある人ならば、このエピソードを聞いて「おおっ、さすがだ」とうなずくはずだ。

    報道するは我にあり『騙されてたまるか』 - HONZ