近くの住民に症状が出ている――。大阪での東日本大震災のがれき処理をめぐる人気漫画「美味(おい)しんぼ」の表現に、大阪府と大阪市が「極めて不適切」と抗議した。表現の元になったのは、市民団体のインターネットアンケートだ。「無断で引用されたうえ、府市からも何の確認もない」と団体側は困惑する。現場で何があったのか。■ゲラ入手、発売朝に会見 週刊ビッグコミックスピリッツ12日発売号の美味しんぼ。問題になっているのは、内部被曝(ひばく)問題を調べている岐阜県の実在の医師、松井英介さん(76)が主人公たちに話すシーンだ。 「(大阪で)住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査した」「鼻血、目、のどや皮膚などに不快な症状を訴える人が約800人もあった」 府市が事前に知ったのは2日。「そのような調査結果があるのか」という環境省からの問い合わせがきっかけだった。同省は掲載について編集部から聞いたという。市