地震や洪水などの自然災害が起きたとき、耳の不自由な人たちに避難の呼びかけなどをどう伝えるか。過去の災害では、聴覚障害者に情報が届かず、避難が遅れるなどしたケースもある。当事者や支援団体はいざというときの備えを進めるが、課題も多い。(災害特報班・岸本達也) 「津波に注意して下さい」。チリ大地震による津波警報が淡路島南部に発表された今年2月28日。淡路聴覚障害者センター(洲本市)は、聴覚障害者の自宅約100軒に警報を知らせるファクスを送ったり、家族に電話をかけたりして情報を伝えた。 同センターは島内3市の委託を受け、手話通訳の派遣など聴覚障害者の生活を手助けしている。警報発表は日曜日の午前9時半すぎ。テレビで知った職員らがセンターに急きょ集まり、午前中には連絡を終えた。 センター相談員の吉川稔さん(50)は、情報が伝わったかどうか不安のあった2人の家を車で往復2時間かけて訪ねた。「海の近くに暮