ハンガリー政府による学術への政治介入と哲学者への攻撃について 概要 ハンガリーでは2010年4月の総選挙で右派のフィデス(若き民主主義者)党が圧勝し、8年続いた社会党政権に終止符を打った。その後、議会で三分の二以上の議席を占めるフィデスは憲法裁判所の権限縮小など、半年の間に10回以上の憲法改正を繰り返し、権力の集中を進めている。特に2010年12月21日に成立したメディア規制法は,監督官庁が議会と関係なくメディアを規制することができ、違反した場合には多額の罰金が科されるため、実質上メディアによる政府批判を不可能とするものであった。これは、EU諸国からも、EUの民主的な基盤に反するものと問題視されている(ハンガリーは2011年1月からEU議長国)。また、政府の諮問機関で批判的なメンバーが与党支持者に置き換えられたり、与党を支持しない公務員が根拠もなく解雇されたりということも起こっているとされ