youkoseki.com ゲームのない日 朝起きると、ちょうど息子が着替えをはじめているところだった。「おはよう」と私は言う。「起きるの、パパが一番遅かったよ」そう言って子供は笑う。まだ小学一年生だというのに、すっかり大人きどりで得意気だ。私は枕元に置いていたスマートフォンに目をやった。午前八時、五分すぎ。今月最初の日曜日。 「早く着替えたら? もうこっちは着替え終わっちゃうよ」と子供はくすくす笑いながら言う。私はハッとして子供の口をふさぐ。今日は第一日曜日、ノーゲームデー。あらゆるゲームが禁止される日だ。デジタルゲーム、アナログゲーム、どのようなゲームであるかは関係ない。気付けば、ゲームと考えられるすべてのものが許されなくなった。たとえば、誰かとの競争などは、他人に見つかればいつ告発されてもおかしくない。私は子供に言って聞かせる。 キッチンに行くと、妻はすでに朝ごはんをあらかたテーブル
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