5月1日からレスリングの全日本選抜選手権が行なわれる。今夏の世界選手権代表の選考大会だが、ここで一人の選手が2度目の復帰を果たす。女子の坂本日登美である。今年1月、29歳になった。一般的には、知る人ぞ知る、といった立場かもしれない。だがレスリング界では知らぬ者のない存在である。 '90年代末、坂本が台頭してきたときの衝撃は大きかった。彼女のあまりにも卓越した技術に、「女子レスリングの歴史が変わる」と語る関係者もいたほどだ。 世界選手権に計6度出場し、27戦全勝ですべて優勝。相手に1ポイントも与えない圧勝で、大会最優秀選手に選ばれたこともある。余談だが、坂本は自衛官である。「功績は大」と女性自衛官初の第1級賞詞を授与されてもいる。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 596文字 NumberWeb有料会員(月額3