ブックマーク / courrier.jp (551)

  • スパイク・リー「コロナ前のすさまじく不平等な社会に戻ってはいけない」 | パンデミック、人種、新作について語り尽くす

    愛するニューヨークを自転車で スパイク・リーとZoomで話をするのは不思議な感じだ。リーは離れた場所にいて、コンピュータのスクリーン上にある四角いブラウザの、さらに小さな四角いZoomのフレームに閉じこめられているのに、どういうわけだか小さく見えない。 トレードマークの野球帽と眼鏡のせいなのか、あるいはまなざしのせいなのか。 30年以上前から、リーはカメラをまっすぐにのぞきこんできた。彼が創造し、自ら演じたキャラクターを思い出してほしい。 1986年の『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』で初登場し、その後ナイキのCMシリーズでマイケル・ジョーダンと共演したマーズ・ブラックモンに、『ドゥ・ザ・ライト・シング』のムーキー。いずれも挑みかかるように観客を見つめた。 これがスパイク・リーの流儀なのだ。ひるまず、挑むように相手の目を見据えるのが。 おかげで、Zoomのフレームに閉じこめられていても、ちっ

    スパイク・リー「コロナ前のすさまじく不平等な社会に戻ってはいけない」 | パンデミック、人種、新作について語り尽くす
  • コロナ対策では「女性リーダーの有能さ」を語る前に、「権威的なリーダーの脆弱性」に注目しよう | ジェンダーで一括りにしてしまうことのリスクとは

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策において、「女性のリーダー」たちが高い評価を受けている。まるで彼女たちの「女性性」が、コロナ対策におけるそれぞれの英断に寄与したかのように語られることも多い。 米紙「アトランティック」のライターであり、『難しい女たち:11の闘いに見るフェミニズムの歴史』(未邦訳)の著者でもある筆者が、こうした見方の問題点、そしてリーダーシップと政治文化の関係について分析した。 コロナ対策において優秀だった人物や政府戦略を選べと言われたら、何を思い浮かべるだろうか? 新型コロナウイルスの感染率について、冷静に説明をしたドイツのアンジェラ・メルケルだろうか。スコットランドのニコラ・スタージョンとその政府が打ち出した、有用で細部まで行き届いた戦略資料だろうか。あるいは、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーンがFacebookライブ配信でおこなった、早期ロックダウ

    コロナ対策では「女性リーダーの有能さ」を語る前に、「権威的なリーダーの脆弱性」に注目しよう | ジェンダーで一括りにしてしまうことのリスクとは
  • 生ける伝説、トニー・ホークがまさか!「配達員」と「TikTok」が叶えたスケボー少年の夢 | 使い古されたスケートボードが…

    ひとつの道を突き進み、極めた人間は、自分と同じ道を歩む次世代の姿に過去の自分を重ね合わせる。 スケートボード界の「生ける伝説」トニー・ホークは、ソーシャルメディアTikTokを通じてある少年と巡り会い、彼の夢を叶えた。 先月下旬、ジョージア州のグウィネット郡にあるスワニーを担当地域に持つフェデックスのドライバー、ミハイル・ファーラーが、配達中にひとりの少年から荷物を託された。ファーラーのトラックに駆け寄ったクーパーという名前の幼い少年は、「おじさん、荷物を頼みたいんだ」と言うと、自宅に戻って一枚のスケートボードを手に戻ってきた。 「おじさん、プロスケーターのトニー・ホークって知っていますか? このスケートボードを彼に届けてもらいたいんだ。クーパーからと伝えてね」 使い古したボードにはウィール(車輪)がなく、裏面の片側に「トニー・ホーク」、反対側には「クーパー」と手書きの文字で書かれてあった

    生ける伝説、トニー・ホークがまさか!「配達員」と「TikTok」が叶えたスケボー少年の夢 | 使い古されたスケートボードが…
  • トランプが制服組を愚弄し、毒を吐きまくった「地下会議」の内幕 | こんな大統領に核のボタンを握らせておいていいのか

    世界地理もアメリカ歴史も知らない大統領 米国防総省の2E924会議室はアメリカ軍人にとって最も神聖な部屋である。窓一つなく鉄壁堅固なこの地下室では、統合参謀部会議が定期的に開かれ、国家の機密事項が討議されている。 通称「Tank(タンク)」で知られるこの部屋は、企業の小さめの役員会議室といったところで、目映いばかりのゴールデンオークのテーブルや革張りの回転式肘掛け椅子など、ミッドセンチュリーモダンのインテリアが揃っている。この部屋の中で将官らは、苦渋の決断が下されていくのを、崇敬の念をもって見守ってきた。 ひときわ目を引くのは、一方の壁に掛かっている「The Peacemakers(ピースメーカーたち)」と名づけられた油彩画だ。この絵には、1865年に開かれた南北戦争の作戦会議に臨むエイブラハム・リンカーン大統領と3人の将軍たち──ユリシーズ・S・グラント中将、ウィリアム・テカムセ・シ

    トランプが制服組を愚弄し、毒を吐きまくった「地下会議」の内幕 | こんな大統領に核のボタンを握らせておいていいのか
  • DV加害者はどうすれば罪に向き合えるのか─更生施設「ロザティの家」の取り組み | 再犯を防ぎ、女性の安全を守るために

    フランス北部アラスに、DVを犯した男性が入居する「ロザティの家」という施設がある。10年以上前にフランスで初めて作られた施設だが、元入居者の再犯率は全国平均のわずか4分の1だという。 いったい、どんな更生プログラムを実施しているのか。仏「ロプス」誌が施設の関係者や入居者に取材した。 「ビンタ一発でここまでされなきゃいけないのか?」 2019年7月14日、ジョルダン(仮名)はアラス警察署に拘禁された。彼は、どうしてそんなことになったのか、まったくわからなかった。ようやく事態が理解できたのは、恋人による供述書を読んでからのことだった。 「チクショウ! ビンタ一発でここまでされなきゃいけないのか?」 ジョルダンはベルギーとの国境付近にある小さな町で生まれた。人いわく「パ・ド・カレーがどんなところか見てやろうと思って」、9ヵ月前にフランス北部パ・ド・カレー県にやってきたばかりだ。 年は20歳。格

    DV加害者はどうすれば罪に向き合えるのか─更生施設「ロザティの家」の取り組み | 再犯を防ぎ、女性の安全を守るために
  • 武漢「ロックダウン」が終わっても、コロナの“トラウマ”は決して消えない | 日常を失った先に見えた「新たな希望」

    都市封鎖が解除された2020年4月8日、武漢の街はおそるおそる息を吹き返した。美容院がまず開店。道路は見る見る混み合っていき、帰ってきた労働者たちが市内中心部のオフィスタワーに流れ込んでいった。 だが、この新しい自由は明らかに一時的なものだった。 すべてのショッピングモールや公共の建物の入口には体温計を持った警備員が立っており、体温が高すぎる人は立ち入りを拒否された。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかっていないことを示す緑色のQRコードは、地下鉄に乗るときにも必要だ。感染者と同じ時期に同じ建物を訪れただけで黄色になってしまうこのコードは、いまや街で一番の「貴重品」になっている。

    武漢「ロックダウン」が終わっても、コロナの“トラウマ”は決して消えない | 日常を失った先に見えた「新たな希望」
  • 職場では監視され、移動の自由もなし…コロナ後の「新世界」武漢を訪ねて | 【現地取材】“新しい日常”の先にあるのはディストピアだった

    【現地取材】“新しい日常”の先にあるのはディストピアだった 職場では監視され、移動の自由もなし…コロナ後の「新世界」武漢を訪ねて 1.5mの間隔をあけて昼をとる、武漢の工場の従業員たち Photo: Feature China/Barcroft Studios/Future Publishing via Getty Images

    職場では監視され、移動の自由もなし…コロナ後の「新世界」武漢を訪ねて | 【現地取材】“新しい日常”の先にあるのはディストピアだった
  • 私の家には奴隷がいた… 罵られ、殴られても、一家に仕え続けたフィリピン女性 | ピュリッツァー賞作家、衝撃の絶筆

    遺灰は、トースターくらいの大きさの箱に収まった。プラスチック製の黒い箱で、重さは1kg半。それをトートバッグに入れてスーツケースにしまい、マニラ行きの飛行機に乗って太平洋を横断したのは2016年7月のことだ。 マニラに降り立つと、車で田舎の村へと向かう。到着したら、私の家で奴隷として56年間を過ごした女性の遺灰を受け渡すことになっている。 彼女の名前は、エウドシア・トマス・プリド。私たちは、彼女を「ロラ」と呼んでいた。背は150cmで、肌はチョコレート色だった。アーモンドの形をしたロラの目が、私の目をのぞきこんでいるのが人生最初の記憶だ。 祖父が私の母にロラを“贈り物”として与えたとき、ロラは18歳だった。そして、家族が米国に移住したとき、彼女も一緒に連れていった。 ロラが送った人生を言い表すのに、「奴隷」という言葉以外には見つからない。彼女の1日は、ほかのみんなが起きる前に始まり、誰もが

    私の家には奴隷がいた… 罵られ、殴られても、一家に仕え続けたフィリピン女性 | ピュリッツァー賞作家、衝撃の絶筆
  • エマニュエル・トッド「高齢者を救うために若者を犠牲にすることはできない」 | 政治家は私たちをここまで無防備にしていたのか

    ソ連崩壊、リーマンショック、イギリスのEU離脱を予言し、世界にさまざまな警鐘を鳴らしてきたフランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド。彼はこのコロナ時代をどう見ているのか? 仏紙「レクスプレス」がインタビューした。 フランスではロックダウン(都市封鎖)が始まるや否や、都会を脱出する人たちが続出したが、人口学者・人類学者のエマニュエル・トッドもその一人だった。 もっともトッドは、そろそろ69歳なので、ブルターニュ地方の別荘に逃げ込みたくなる当然の理由があったといっていいだろう。 聞く人をゾクゾクさせる分析で知られるトッドだが、これまで新型コロナウイルス感染症の危機については発言を控えてきた。わかっていないことが多い状況で何かを言うのは無分別に思えたからだ。 フランスでロックダウンが始まってから1ヵ月が過ぎたいま、トッドがフランスの週刊誌「レクスプレス」に登場し、コロナウイルスによって白日の

    エマニュエル・トッド「高齢者を救うために若者を犠牲にすることはできない」 | 政治家は私たちをここまで無防備にしていたのか
  • 外出制限のニューヨーク州知事「それでも家にいてほしい。決断の責任は私が取る」 | 新コロナ対策で見えてくるリーダシップ

    世界で感染拡大が広がる新型コロナウイルス。日国内では小池百合子東京都知事が会見を開き、不要不急の外出を控えるよう要請した。 解明されていないウイルスを相手にした対策には正解がない中、重要になってくるのが、こうしたリーダーたちの決断だ。今、ヨーロッパ以上の感染者拡大が恐れられているアメリカではニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事のリーダーシップが注目されている。 「彼ほど信頼できる人はいない」 「私には、まったく責任はない」 今月20日、トランプ大統領は、米国で新型コロナウイルスの検査が適切に行われず、対応が遅れ、それが感染者の急増に繋がったたことについて、そう語った。 「中国の公表の遅れが世界的な感染拡大につながった」と中国を責める発言をしたことも記憶に新しい。

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  • ユヴァル・ノア・ハラリ「非常事態が“日常”になったとき、人類は何を失うのか」 | 『サピエンス全史』著者が「コロナ危機後の世界」を予測

    『サピエンス全史』著者が「コロナ危機後の世界」を予測 ユヴァル・ノア・ハラリ「非常事態が“日常”になったとき、人類は何を失うのか」 イスラエルの歴史家ユヴァル・ノア・ハラリ(42)。人類の歴史をマクロ的な視点で読み解いた世界的ベストセラー『サピエンス全史』などで知られる。近著に『21 Lessons』(ともに河出書房新社)がある Photo: Emily Berl/The New York Times

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  • 捜査困難なダークウェブの「殺し屋サイト」を「趣味」で暴いた男 | 妻の殺害を依頼した男は…

    殺し屋サイトを暴く男、その手腕 殺し屋サイトを精力的に調査したことで知られるのが、クリス・モンテイロというロンドン在住のシステムアドミニストレータだ。日々の仕事のかたわら、この種の陰な事柄を調べあげることを趣味としてきた。 モンテイロがしたのは、殺し屋サイトをいくつも立ち上げてきた通称「ユラ」という人物のサイトを片っ端からハッキングすることだった。 モンテイロは、「ベサ・マフィア」など複数の殺し屋サイトに侵入し、殺人サービスに支払いをした顧客の情報を283人分入手した。また、これらのサイトの運営者が、実際には依頼された殺人を遂行する意思がないことを示唆するメールも見つけた。

    捜査困難なダークウェブの「殺し屋サイト」を「趣味」で暴いた男 | 妻の殺害を依頼した男は…
  • ダークウェブで殺し屋を雇えるって、本当なの? | 暴行なら2000ドル、拷問殺人は5万ドル

    捕まるのは殺人を依頼した側 「アゼルバイジャニ・イーグルズ」というウェブサイトに行けば殺人を5000ドルで依頼できる。「スレイヤーズ・ヒットメン」という別のサイトには、ほかのオプションもある。暴行なら2000ドル。拷問殺人は5万ドルだ。 ただし、こうした“殺し屋サイト”で依頼した仕事がきちんと遂行されることを期待してはいけない。専門家や警察によれば、ダークウェブやダークネットにあるこの種のサイトはどれもオンライン詐欺だからだ。これらの闇サイトを通じて依頼された殺人が実際に実行された事例はいままで確認されたことがないという。 もっともこれらのサイトが闇の深い商売に手を出していることに変わりはない。そのため、お金を支払って殺人の依頼をする人を捕まえるのに適した場所になっているのも事実だ。こうしたサイトに支払いをした後、警察に捕まり、現在、刑務所にいる男女が何人もいる。 最近ではイリノイ州の看護

    ダークウェブで殺し屋を雇えるって、本当なの? | 暴行なら2000ドル、拷問殺人は5万ドル
  • たいへんだ!畑のなかにライオンが! その正体は… | スペインの田舎町を襲った恐怖

    日曜日の朝、住人たちに“戦慄”が走った 「ライオンが歩いてる!」 穏やかな3月の日曜日、スペイン南東部に位置するムルシア州モリナ・デ・セグラの警察署に、恐怖にかられた住民から何件もの通報が寄せられた。街中をライオンが一匹、うろうろしているというのだ。 スペイン「バングアルディア」紙が報じたところによれば、警察はその“ライオン”を無事に捕獲。怯える住民たちに向け、ツイッターで報告した。 「今朝、畑のなかにライオンが放たれていると通報を何件も受けました。『変な生き物』がいるという人もいました。しかし、マイクロチップリーダーをかざしたところ、それは……犬でした。飼い主の特定をしています」

    たいへんだ!畑のなかにライオンが! その正体は… | スペインの田舎町を襲った恐怖
  • 凄惨なアメリカのホームレスの状況に苦しむハリウッド住民「私たちに我慢しろと言うのか」 | 貧困が生む負の連鎖

    アメリカ・カリフォルニア州ではホームレスの数がかつてないほど増え、危機的な状況だ。ロサンゼルスでは路上で生活する人が2019年に16%増加し、いまでは3万6000人にのぼる。シェルターでは2万7000人が生活を送っている。 この状況に苦しんでいるのは、ホームレスたちだけではない。「ロサンゼルス・タイムズ」の記者が地域の住民に取材したところ、想像以上にストレスフルな生活が垣間見えた。

    凄惨なアメリカのホームレスの状況に苦しむハリウッド住民「私たちに我慢しろと言うのか」 | 貧困が生む負の連鎖
  • レイプ検査後の女性たちに「新しいブラとショーツを届けたい」 | ある看護師の訴えが大きなうねりに

    下着は証拠品として没収される 看護師のマーサ・フィリップス(40)は昨年12月、病院の緊急救命室でレイプ検査を受けた後の女性が、だぼっとした手術着を着たまま帰っていく姿を見た。女性は胸を隠すように腕を組んでいた。彼女のブラジャーは証拠品として没収されたからだ。 そんな無防備な姿で病院を後にする女性を見て、フィリップスは怒りが込み上げてきた。 ワシントン州の「ピースヘルス聖ジョセフ病院」で働くフィリップスは3時間かけて、その女性のレイプ検査を行ったところだった。 「性的暴行の被害者はただでさえ深いトラウマを負っているのに、その上、ブラもちゃんとしたショーツも着用できないまま、さらし者にされたような気持ちで病院から帰らなくてはなりません。あってはならないことです」 そう語るフィリップスの看護師チームは昨年、136件のレイプ検査を行ったという。 手術着のまま帰っていく女性を見たその日の午後、フィ

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  • “グレタ叩き”に19歳の活動家ナオミ・ザイブトを利用する米保守派組織 | 「そもそも、気候はずっと変化し続けています」って…

    少女を戦わせる悪趣味を誰が仕組んだ? ブロンドのロングヘアで、雄弁なヨーロッパ出身の10代の活動家──といえば、思い浮かぶのはやはり環境活動家のグレタ・トゥンベリではないだろうか。 グレタが公に活動を始めて約2年。ここにきて、同じくブロンドのロングヘアで、雄弁で、流暢な英語を話すヨーロッパ出身の10代の「アンチ・グレタ」活動家が注目を集めている。 ドイツ出身の19歳、ナオミ・ザイブトである。彼女は「クライメイト・リアリスト」を自称し、地球温暖化に対する懐疑論を唱えるインフルエンサー。約6万8400人のフォロワーを持つユーチューバーでもあり、グレタやその支持者を、地球温暖化を誇張し、脅威論を広めることで「人々の不安を煽っている」「不必要な狂乱を起こしている」と批判してきた。

    “グレタ叩き”に19歳の活動家ナオミ・ザイブトを利用する米保守派組織 | 「そもそも、気候はずっと変化し続けています」って…
  • 女性の方が入念─「手洗いジェンダーギャップ」はなぜ起きるのか? | 「家庭内の衛生責任の歴史」を見ると…

    「予防」よりも「治療」の結果 感染が拡大し続けている新型コロナウイルス。飛沫感染、接触感染が中心と言われており、予防策として、手洗いをはじめ、マスクをする、人混みを避けるなどが有用とされている。 米国でも感染者が報告されているが、2月後半現在、マスクをして外出している人は稀。一方、インフルエンザが深刻な季節であることもあってか、基的感染症対策である「手洗い」について、盛んに報じられている。 米誌「アトランティック」によると、国際的な疾病対策機関は「石鹸を使った20秒以上の手洗いを奨励している」とのこと。しかし、米国人の手洗い平均秒数は「約6秒間と短い」。さらに、日常的に20秒以上の手洗いを実践しているのは「人口のたった5%」だと報じている。 同誌は、米国人の手洗いという疾病予防への意識の低さについて、こう指摘する。 「米国史では一般的に、科学的根拠のある『予防』行動よりも、お金を払って受

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  • 新型コロナウイルス感染確認で、フランスに広がるアジア系差別 | 「#私はウイルスじゃない」

    ヨーロッパで最初に新型コロナウイルスの感染が確認されたフランスで、アジア系住民に対する人種差別が広がっている。差別を告発するための「#私はウイルスじゃない」(#JeNeSuisPasUnVirus)というハッシュタグも作られた。 仏紙「ル・モンド」や週刊誌「ロプス」をはじめとする多数のメディアが報じた。 ハッシュタグ「#私はウイルスじゃない」 「ハフィントンポスト」フランス版は1月28日、「中国のコロナウイルスがアジア系に対する人種差別的なステレオタイプをよみがえらせる」という記事を掲載した。 同メディアによれば、1月27日に「J」というアジア系の女性がSNS上で匿名で被害を訴え、「#私はウイルスじゃない」(#JeNeSuisPasUnVirus)というハッシュタグを作り出した。彼女の訴えは、フランスにおける人種差別の問題に取り組んでいる映画監督のアマンディーヌ・ゲイによりツイッターに投稿

    新型コロナウイルス感染確認で、フランスに広がるアジア系差別 | 「#私はウイルスじゃない」
  • ホロコースト博物館館長が“ファシズムの前兆”に警鐘を鳴らす | 「ナチスは、1933年1月に突然、空から降ってきたわけではない」

    2020年はアウシュヴィッツ強制収容所の解放から75年の節目にあたる。私たちはあのおぞましい歴史から何を学ぶべきなのか? いま再び世界のさまざまな場所で、特定の人種や属性に対する憎悪感情が表出していないだろうか? 米ワシントンにあるホロコースト記念博物館館長サラ・ブルームフィールド(69)は、「ナチスは降ってわいたのではない。大量虐殺には前兆があるし、ごく普通の人が残虐行為に手を染める可能性がある」と警鐘を鳴らす。 歴史に忠実に、人間の質を映す鏡として ──この博物館は、来館者に精神的苦痛を与えることを意図していると感じます。好むと好まざるとにかかわらず、一生忘れられない恐怖を突きつけるからです。ここで働くことについて、どうお考えですか? その前に、あなたが前提としていることを、訂正しても構いませんか? ──もちろんです。 この博物館の目的は、人の心に苦痛を強いることではなく、学んでもら

    ホロコースト博物館館長が“ファシズムの前兆”に警鐘を鳴らす | 「ナチスは、1933年1月に突然、空から降ってきたわけではない」