愛するニューヨークを自転車で スパイク・リーとZoomで話をするのは不思議な感じだ。リーは離れた場所にいて、コンピュータのスクリーン上にある四角いブラウザの、さらに小さな四角いZoomのフレームに閉じこめられているのに、どういうわけだか小さく見えない。 トレードマークの野球帽と眼鏡のせいなのか、あるいはまなざしのせいなのか。 30年以上前から、リーはカメラをまっすぐにのぞきこんできた。彼が創造し、自ら演じたキャラクターを思い出してほしい。 1986年の『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』で初登場し、その後ナイキのCMシリーズでマイケル・ジョーダンと共演したマーズ・ブラックモンに、『ドゥ・ザ・ライト・シング』のムーキー。いずれも挑みかかるように観客を見つめた。 これがスパイク・リーの流儀なのだ。ひるまず、挑むように相手の目を見据えるのが。 おかげで、Zoomのフレームに閉じこめられていても、ちっ