池袋シネマ・ロサで行われる「ヨコハマ・フットボール映画祭 in TOKYO」では、本年2月の映画祭での受賞作を一挙に上映することとなっているが、その中でも注目の一作はエミール・クストリッツァのドキュメンタリー「マラドーナ」だ。 クストリッツァという巨匠と、サッカーの天才マラドーナの組み合わせは、映画とサッカーのファン両方にとって注目の作品。この映画、極めて政治的な背景もあり、一筋縄ではいかないドキュメンタリーとなっている。ヨコハマ・フットボール映画祭は、この作品を最優秀監督賞として選出。その見どころについて解説してみよう。 ◇映画とサッカーに政治を持ち込む二人 サッカーに政治を持ち込むべからず、それは全くもってそのとおりであるのだが、それでもそれはタッチラインを超えてフィールドに入ってきてしまうものでもある。 もう昔の話となる。1999年、ストイコビッチがゴールパフォーマンスに、「NAT