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  • 神は負けても、親切は勝つ (岸政彦) - アンジャリ:出版物紹介:親鸞仏教センター

    私には宗教はない。何かの信仰をもつ、ということがよくわからない。既成の、特定の宗教を信じるということがほんとうにわからなくて、例えばキリスト教徒の方はイスラム教という「別の世界体系」をどう思っているのだろうかと、不思議に思う。もちろん、特定の信仰をもったたくさんの人々がいて、異なる世界体系としての別の信仰をもった人々と、これまでなんとかうまくやろうと努力してきたということは知っている。そういう話ではなく、もっと個人的な、実存的なレベルで、信仰をもつということがわからない。 ずっと以前、あるキリスト教徒の高齢の社会学者に、信仰をもつということはどのようなことか、それは「神が実在している」という信念をもっているということか、としつこく聞いたら叱(しか)られたことがあって、いまでもこの「叱られた」ということに、なんとなく納得がいかない。まだ私も若かったころの話で、いまならそんなことは聞かないが、

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