上橋菜穂子が、児童文学のノーベル賞とも言われている、国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。日本人としては、まど・みちおに次いで二人目で、なんと二十年ぶりである。この賞は、第二次世界大戦後、本を通して子どもたちに人間性の回復と信頼、平和への願いを伝えたいと、一九五三年に設立されたIBBY(国際児童図書評議会)が創設した。五六年を第一回に、以後隔年で現存作家に贈賞し、これまでケストナーやトーベ・ヤンソンなど世界的に著名な作家たちが受賞している。六六年からは画家賞も創設され、日本人としては、八〇年に赤羽末吉、八四年に安野光雅がこれまで受賞した。 同賞は、IBBY各国支部より推薦された候補者の中から、国際選考委員によって選ばれる。今回日本からは、IBBY日本支部のJBBYに委託された筆者を含む選考委員四名が上橋菜穂子を推薦。二十八人の候補者の中から六人が最終選考に残り、上橋に決定した。 彼女は、一九
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