ブックマーク / note.com/stwtcpld (11)

  • 中国版氷河期世代の未来を勝手に心配する|華村@中国

    とあるX(Twitter)での投稿から、こんな言葉にたどり着きました。中国SNS(微博)のインフルエンサー・ブロガーの書いたもののようです。 https://m.weibo.cn/detail/5013991623234131よりなぜいまの大学生は慌てて職探しをしないのか? それは、資家がすでにゲームのルールを「引きこもりで節約」モードに変えてしまったからだ。大学生が外に出て働くことで必要になる経費は、給料ではとてもまかないきれない。家でじっとしているのがもっともコストがかからないのだ。 こうした体験をしている人は少なくないだろう。 上記画像より、翻訳は筆者経済的な意味でのゲームのルールを作っているのが「資家」だというのがいかにも中国だなあというところに感心しつつ、これっていまの中国の若者の空気感を鋭く表現した言葉であるように思います。 「働いたら負け」のいまの中国 このマガジンも何

    中国版氷河期世代の未来を勝手に心配する|華村@中国
  • 中国における「価値観の多様化と非婚化」への違和感|華村@中国

    このような記事の多くは、「中国でも価値観の多様化が進み、結婚を積極的に選ばなくなった」という「若者の結婚離れ」的なロジックに基づいて書かれています。以前のように結婚が必須ではなくなり、自由な価値観が支配的になったことで、あえて結婚をしない生き方が選ばれるようになってきている、というものです。 で、個人的にはこれにちょっと違和感を感じています。確かに大きな流れとしてはその通りのことが起きていると思うのですが、現状を当に正確に表しているかというと、どうもそうではない気がしているのです。 まだまだ強い伝統的価値観というのも、現状では中国の人々の価値観がそこまで大きく変わっているとは、あまり思えないんですね。

    中国における「価値観の多様化と非婚化」への違和感|華村@中国
  • 中国への移住に向いている人(2024年版)|華村@中国

    松井博さんが、海外移住するならどこの国がいいのかという読者さんからの質問に答えていました。 もちろん人によって向き不向きはあるとしながら、さまざまな視点からどういう国がいいのか、という基準について書いています。 その中には、実際に海外に住んでいる人からの声も紹介されていました。 僕もせっかく中国に住んでいるので、中国を日から見た移住先として捉えた場合、どんなことが言えそうかなと思い、書いてみることにしました。海外移住を考えている人の参考になれば幸いです。 +++++ まず、いきなり身も蓋もないことを言ってしまいますと、いまの中国は基的に移住に向いていません。 まず、物価について。10年前ならいざ知らず、いまの中国は物価が高いです。円安も手伝い、体感的には日々の生活費は日と変わらないか、むしろ同じ生活費だったらQOLは日よりも低いかもしれません。 海外生活の動機が生活費を抑えることだ

    中国への移住に向いている人(2024年版)|華村@中国
  • 「すずめの戸締まり」を見て、なぜか「中国っぽくね?」と思った話|華村@中国

    今日はちょっと忙しいので短め、かつ若干ふわっとした話になることをお許しください。 +++++ 先日、嫁と一緒に、映画の「すずめの戸締まり」を見たんですね。 そうです、新海誠監督による、あの大ヒットアニメ映画のです。嫁用に中国語字幕が欲しかったので、騰訊視頻というテンセントの動画サービスで見ました。 感想としては「普通に面白かった」という、アホでも言えそうなことしか出てこなかったのですが、それはそれとして映画を見ながらずっと、作品の面白さとは別の部分でずっと違和感というか、自分でも奇妙に思う感覚があったのです。 その感覚とは、「なんだか中国のアニメみてーだな」というものです。

    「すずめの戸締まり」を見て、なぜか「中国っぽくね?」と思った話|華村@中国
  • 「スジ」に縛られる日本の話|華村@中国

    在住の中国人ジャーナリスト・王志安さんが、日の福島第一原発と、その周辺地域を取材した動画を、一連のシリーズとしてYouTubeに発表しています。 先ごろの処理水排出問題にまつわる、中国の反応を受けて制作されたものです。 日のメディアによる取材でどうしても前提となりがちな「かわいそうな被災者・被災地」という視点にも、欧米的な「悲惨なフクシマ」という視点にも、ましてや中国的なヒステリックに日を批判するような視点にも立たない、ただ淡々と現地の人々の話を聞くものとして、特別なドキュメンタリーになっていると思います。 日人にとっても見る価値のあるものになっていると思うので、興味のある方はぜひシリーズをご覧になってみてください(ご人が、 自信があるシリーズなのに再生数が少ない!と嘆いておられるようなので)。若干怪しいながら、日語字幕も付けられています。 ++++++ シリーズの中で、個

    「スジ」に縛られる日本の話|華村@中国
  • 「農村土豪ムーブ」がもたらすもの(『戦狼中国の対日工作』感想)|華村@中国

    中国による、日に対する情報工作への取材結果をまとめた一冊です。そこからは、中国の対外工作の驚くべき実態が見えてきます。 「驚くべき実態」というと、「中国の魔の手は、気づかないうちにもうここまで浸透している!」というような、権謀術数うずまく緻密な情報戦のようなものを想像してしまいそうになりますが、ここで紹介されているのはそういった類のものではありません。 むしろ、ここに書かれているのは雑で粗暴な、後先を考えない行動の数々です。 日に住む反体制中国人のところには、黒いシャツを着た野暮ったいオッサン(専門の工作員ではなく、現地の一般人)が大声で恫喝しにやって来ます。手の込んだハニートラップを仕掛ける妖艶な中華美女も、日語を完璧に使いこなす鋭い目つきの工作員も、そこにはいません。 中国が世界に張り巡らせた「秘密警察」のおおもとは、移住した中国人の県人会のような組織です。そこが互助会として現地

    「農村土豪ムーブ」がもたらすもの(『戦狼中国の対日工作』感想)|華村@中国
  • 「愛国を叫ぶこどもたち」の背後に見える、醜悪な大人の姿|華村@中国

    🇨🇳中国小朋友的精神现状 呼吁有关部门关注一下! 😅😅 pic.twitter.com/7K3j0LDfRZ — 脱缰野狗🇯🇵🐕 (@yukishoppu) September 27, 2023 小さな子どもが「核廃水」の入った水をひとたび飲むと、体が震えはじめ狂ったように踊り出してしまう(そういう演技をしている)、という内容です。 中国のショートムービーSNSでは、こうした「子どもが政治的に「ただしい」、愛国的な行動を取る」「その過程で諸外国を揶揄し、強く非難する」というジャンルの動画が一定数存在しています。「諸外国」のうちもっとも攻撃対象になりやすいのは、もちろん日です。 こちらは杭州アジア大会の開会式で、日が入場するやいなや「坏日,打死你」(クソ日め、やっつけてやる)と画面を叩いたり、蹴ったりするそぶりを見せる女の子たち。 杭州亚运会,日队刚出场,中国小朋友就

    「愛国を叫ぶこどもたち」の背後に見える、醜悪な大人の姿|華村@中国
  • 中国人との結婚で感じる孤独。「結局あんたもそっち側」のつらみ|華村@中国

    義両親👵👴🇨🇳帰国しました。 義両親に貸していた部屋…絶望😱 床面は何か謎の白いものが大量に付着。 ベッドの上はゴミが散乱😱😱 この状態で帰国ってヤバない?#日中夫婦 pic.twitter.com/1KdWcOeFbE — LULU (@LULU777CHANNEL) September 9, 2023 先日、日にお住まいの日中夫婦の方のツイートを見かけました。 どうやら投稿主人は日人の女性で、中国人の夫さんの両親が家に滞在した時に、その文化の違いから大変な苦労をしたようです。このほかにも、義両親の滞在中のいろいろなふるまいに消耗したツイートの数々がありました。 僕も中国人の配偶者をもつ身として、ああ、わかるわかる……と読んでいたのですが、そのなかでも一つのツイートが特に目にとまりました。 今日帰宅後に夜ご飯準備中、4枚セットのお皿が2枚しかなかった。 義母👵🇨

    中国人との結婚で感じる孤独。「結局あんたもそっち側」のつらみ|華村@中国
  • いろいろ話題のSHEINに、中国在住者が思うこと|華村@中国

    いま若者の間で大人気になっている(これほどジジ臭い書き出しもないな)中国発のファストファッションブランド、SHEINがニュースを賑わせています。 圧倒的な安さと品揃えによって世界中で人気を集めているSHEINですが、その商品の中にはあからさまなパクリデザインのものや、品質があまりに低いものなども含まれており、たびたび批判の的となっています。 さらに、その生産体制への問題も取り沙汰されています。前々からSHEINの商品の生産を請け負う製造工場において、違法な環境や条件での労働が横行していることを指摘する声があります。こちらはイギリスのメディアが行ったという潜入調査をもとにした記事。 直近では、同社の製品に新疆ウイグル自治区で製造された綿が使用されているという話が出ました。同地区での綿花の生産には強制労働や人権問題が関わっているとされており、アメリカでは輸入が基的に禁止されています。 にもか

    いろいろ話題のSHEINに、中国在住者が思うこと|華村@中国
  • 「悪いことをしなければ、個人情報を取られても問題ない」にいまいち同意できない理由|華村@中国

    お知り合いの方に突然PCR検査を受けるように通達がきたことへの驚きと、なぜか濃厚接触者であることが知られていたということに感じる不気味さについて書かれたものです。面白かったです。 プライバシーと利便性のバランス近年は個人情報について、情報が収集・集積されることによってもたらされる利便性と、それに伴うプライバシーの問題が取り沙汰されることが多くなってきたように思います。 コロナ禍の世界において、それはさらに顕著です。上のくまてつさんのnoteからもわかるように、中国においては個人情報——とりわけ個人の移動経路がコロナ対策に広く活用されていることがその議論の的となります。 個人的には、スマートフォンを触っているだけでどこからかは個人情報が漏れていくものだし、過度に怖がるのも違うかな、と思っています。今どき、デジタルデバイスから離れて生きていくわけにもいきません。また、中国のそれに文句を言っても

    「悪いことをしなければ、個人情報を取られても問題ない」にいまいち同意できない理由|華村@中国
  • 中国への「解像度」を上げていこう|華村@中国

    物々しいタイトルは一見、中国を動かす恐ろしい巨大組織の陰謀に迫る! みたいなもののようにも見えます。しかし実際には、そういった「実態の見えない恐ろしい組織」というような見方をできるだけ排除したうえで、組織戦略論をベースに中国共産党という「中国の運営組織」の姿を読み解こうとする良書でした。 まず中国共産党の成り立ちと構造を丁寧に把握し、それをベースに「党はある事象に対してどのような考え方を持ち、そしてどのような行動をアウトプットするのか」という原理(それこそがタイトルの「紅い方程式」と呼ばれるものです)が明らかにされていきます。 そこからは、「人権無視、権威主義のモンスター」などというオドロオドロしい形容だけでは決して片付かない、貪欲な生存能に基づいた計算高い組織の姿が見えてきます。 中国、ならびに中国共産党のことを「わからないけどなんとなく怖い、でも中国について知っておかなきゃとはなんと

    中国への「解像度」を上げていこう|華村@中国
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