連載対談 中島京子の「扉をあけたら」 ゲスト:萩尾望都(漫画家) 少女マンガの金字塔ともいわれる名作『ポーの一族』。四十年ぶりにその新作を発表した萩尾望都氏の創作の源泉をたどりながら、時代を超えファンを魅了する萩尾作品の魅力の秘密に迫ります。 2017/02/20 第九回 萩尾作品は、女の子を解放する ゲスト 萩尾望都 (漫画家) Photograph:Hisaaki Mihara 萩尾望都(左)、中島京子(右) 日本の少女マンガは「少女」を発見した 中島 私は子どものころから萩尾さんの作品の大ファンなので、今日こうしてお話しできるのをすごく楽しみにしていたんです。 萩尾 あら、それはうれしい。ありがとうございます。 中島 私は一九六四年生まれなのですが、当時の家庭ではよくあったように、自宅でマンガを読むことは禁止されていたんです。 萩尾 「マンガは教育上よくない、悪書だ」と、敵視されて