ブックマーク / pencroft.hatenablog.com (5)

  • 『八甲田山』で死にゆく我々日本人 - 挑戦者ストロング

    映画専門チャンネルで「八甲田山」。確か20年くらい前に、VHSで観たのが初見と思う。画質は悪く、顔の判別も難しかった。今回のは4Kデジタルリマスター版なので、凄まじくクレイジーな極寒のロケ撮影を堪能した。加山雄三とかいい役で出てたんだな、以前は気づかなかった。 映画史に残るクレイジーロケ 兵隊がバタバタ死んでゆく映画の何が面白いのかと初見時に思った。2021年に再び観て思う、これは「日人」をド真ん中で捉えた映画だったのだ。やはり何が面白いのかとは思うけど。 (★3) 戦前は知らず、戦後の日人はなぜか日人がバタバタと大量死する映画が好きだ。「二百三高地」と「八甲田山」はその典型と思うが、ともに大ヒットしている。みんな観たいのだ、日人がバタバタ死ぬ映画を。「敗戦」が全国民共通の原体験となっているため、大量死が限りない共感を呼ぶのだろうと推測する。 史実は詳しく知らぬが映画によると、

    『八甲田山』で死にゆく我々日本人 - 挑戦者ストロング
  • 「マイマイ新子と千年の魔法」に出会った! - 挑戦者ストロング

    新宿ピカデリーで「マイマイ新子と千年の魔法」を観た。翌日、もう一度観た。翌週も観た。 CinemaScapeに投稿したコメントを転載する*1。完全にネタバレだが、ええい構わねえ、公開する。 読んでも読まなくてもいいが、どうかこの映画を観に行ってほしい。 「こんな映画が観たい」との願望に応える映画ではなく。 「当はこんな映画が観たかったんだ」と気づかせてくれる映画 (★5) ここ20年で最高のアニメーション映画だと思う。 たとえば「となりのトトロ」というアニメーションも、昭和30年代を舞台にした作品だ。あの映画には様々な魅力的なモチーフが、これでもかと登場して観客の目を奪う。お化け屋敷のような家、森の中の巨木、トトロやネコバスといった物の怪。サツキとメイの世界はそれ自体が魅力的であり、それがそのまま映画の魅力に直結していた。 「マイマイ新子と千年の魔法」は凄まじいリアリティーで昭和30年代

    「マイマイ新子と千年の魔法」に出会った! - 挑戦者ストロング
  • 「この世界の片隅に」、内容以外の感想 - 挑戦者ストロング

    今年の下半期から非人道的環境で働いており、クッソ忙しくて映画にもなかなか行けない状態なのだけど、そうは言ってもまさか「この世界の片隅に」を観ないわけにもいかぬ。公開初日は無理だったが、公開翌週の平日に観に行った。2回観た。 2009年秋に公開された片渕須直監督の前作「マイマイ新子と千年の魔法」はオレにとって当に特別で、生涯に数しか出会えぬ類の映画だった。心を奪われて逆上したオレは当時このダイアリにあれこれ書いたし、上映延長願いの署名活動にも署名したし、延長上映に何度も足を運んだ。片渕監督にご挨拶したりTwitterで絡む機会も一瞬あった。数え切れぬほどの多くのファンと接する監督からすればいちいち覚えちゃいられないくらい小さなことなれど、ファンのおっさんことオレにとっては実に嬉しいものであった。 ゆえに監督の次作「この世界の片隅に」のクラウドファンディングにも参加した。「この世界の片隅に

    「この世界の片隅に」、内容以外の感想 - 挑戦者ストロング
  • 庵野秀明の「シン・ゴジラ」 - 挑戦者ストロング

    昨晩、「シン・ゴジラ」観てきました。新宿のTOHOシネマズだったんだけど、上映後に拍手が起こりましたよ。 シン・ゴジラ Blu-ray2枚組 長谷川博己Amazon 以下は感想、ネタバレあり。まだ観てない人は絶対に読まないように。 庵野秀明、棒読みで早口な「未来への祈り」  (★4) 樋口真嗣の「進撃の巨人」実写版に呆れ返った観客である自分は、この映画を庵野秀明個人の映画として認識するしかない。むしろ自分がこの映画を観る理由は、庵野秀明という男にしかなかった。 庵野秀明という作家の純粋性は、疑いようもない。正直な作品を作るためなら観客にDVかますくらいは致し方なしとする表現者であり、たとえ国を滅ぼすとしても零戦を設計する男なのである。先人たちが築いてきた特撮映画群は彼の精神の根幹を占めるものであり、やるとなったら死ぬ気で作るであろうことは容易に想像できた。「エヴァンゲリオン」の如き私小説

    庵野秀明の「シン・ゴジラ」 - 挑戦者ストロング
  • わたくしの中の暗黒神話体系 - 挑戦者ストロング

    今回は、心当たりのない人にはまったく訳の判らぬ話である。訳が判らんと思った人は速やかにブラウザのタブを閉じて、このブログと僕のことを忘れてください。 先日、はじめて「ヨコ出し」こと「ヨコハマ買い出し紀行」というマンガを読みまして。これは多くのマンガ読みに絶賛され、傑作と評される作品であります。 ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC) 作者: 芦奈野ひとし出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/08メディア: コミック購入: 2人 クリック: 113回この商品を含むブログ (96件) を見る 全14巻で完結してる作品なので一気に読んだが、実際はこれ月刊のアフタヌーン誌で12年にわたって連載された作品である。12年これにつきあうってのは、なんとも凄いなあと思う。面白くないのかと問われれば、正直言って面白かった。ただ、何よりも「あー、これ暗黒神話体系のド真ん中に位置する作品だなあ」

    わたくしの中の暗黒神話体系 - 挑戦者ストロング
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