閉ざされた王国はいかにサイバー攻撃能力を得たのか 北朝鮮が関与するサイバー攻撃の数が増えている[1]。北朝鮮がサイバー攻撃をしかける理由としては、米国を中心とする北朝鮮に対する経済包囲網が効果を発揮しており、「サイバー活動を通じた外貨獲得のインセンティブの高まり」があることがすでに指摘されている[2]。 北朝鮮のサイバー攻撃能力はどのような水準にあり、日本や周辺国にとってどれほどの脅威なのだろうか。一部の識者はその能力を高く評価する。例えば、イギリスのシンクタンクは北朝鮮のサイバー能力は日本やインドなどと肩を並べるとしている[3]。 現代の高度なサイバー攻撃は、ソフトウェア・ハードウェアに長けた技術者、高速で安定したネットワーク接続、データ保存のための施設、24時間365日活動を継続するだけの組織力など、様々なリソースを必要とする。映画に描かれたような、数人の天才ハッカーが屋根裏部屋から行