■千葉大会:基調講演 テーマ:「松本サリン事件の被害とは」 講師:河野 義行(松本サリン事件被害者) こんにちは。河野です。 私は今年の9月に鹿児島に引っ越しました。事件があったときが44歳、今年は60、還暦を迎えたから少しゆっくりしようかということで、拠点を鹿児島に移しまして、口之永良部島という島があります。屋久島のすぐ隣です。ここで割とスローライフな生活をしております。 今日は犯罪被害者に関する話をさせていただきますが、まず犯罪被害者というのは、被害を受けた人とその家族、こういう定義になっております。 では被害者というのをだれが決めるかという話になります。警察が決めるわけで、そうしますと、時としては被害者が被害者にならないケースがあるのです。 これは私が公安委員をやっているときに体験した事例ですけれども、1つは生坂ダム事件という事件で、ここに男性の死体が上がりその死体はビニールにひもで