楽天とTBSの経営統合を巡る3年半に渡る攻防が、楽天の保有するTBS株売却という形で終結しました。報道では「通信と放送の融合という理念だけが先行」、「楽天敗れる」といったトーンが多かったですが、ちょっと違うような気がします。問題の本質は別のところにあるのではないでしょうか。 “融合は儲からない”という現実 もちろん、物別れに終わった原因として、TBS側に“ネット企業に統合されるのはイヤだ”という感情的な部分も多少はあったのかもしれません。しかし、それよりも統合を妨げた本質的原因は、“融合はまだ儲からない”、正確には“放送局がインターネット(以下「ネット」と略します)を活用して収益を上げるビジネスモデルはまだ確立されていない”というのが現実だったのではないでしょうか。 融合の具体例として一般的なのは、放送局がテレビ番組をネットでも配信することです。実際、米国では人気番組がほとんどすべて