少し前のことになるが、愛車のトヨタカローラが動かなくなってしまった。 「仮にもインベストメントバンカーなんだから、もうちょっとマトモな車に乗りなよ」と同業界の友人や同僚には何度言われたことか分からないが、私にとっては車は贅沢品ではなくアシなので、2年半ほど前に日本に本帰国される駐在員の方から「帰国売り」で安く譲って頂いた5年落ちのカローラに十分満足している。 一昨年から住んでいる今の家は地下駐車場のあるフラット(マンション)ではなく、許可されたエリアの中で適当に空いたスペースを見つけて路上駐車するシステムなので、高級車でないというのは盗難面においてもメリットがある(それでも目ざとい輩はいるもので、昨年は車から物を盗まれたけれど)。 そもそも、車というものに興味がない。 学生時代にとある先生から、こんな小噺を聞いたことがある。 街中を快走する旧型のフォルクスワーゲン・ビートル。 運転席には若