枝野幸男官房長官(45)は民主党の若き期待の星と目されてきた。衆議院議員に6期連続で選出され、党内の重要ポストを歴任している。だが、多くの影響力ある役職を務めてきたにもかかわらず、将来首相となるべき人材とはほとんどみなされていなかった。 だがそれは、壊滅的な地震と津波に加え、それに伴う原発危機が日本を襲う10日ほど前までのことだ。枝野長官は今や国内外で大きな注目を浴びる存在となっている。水色の作業着に身を包んだ、ふっくら体型の枝野長官は、いつもと変わらぬ淡々とした態度を保っている。だが、来る日も来る日も四六時中会見場でマイクに向かう姿は、政府の対応の遅さや国民への曖昧なメッセージに対する批判を一身に背負って立つ印象を与えている。 上智大学国際教養学部国際教養学科の中野晃一准教授は、枝野氏は若き期待の星ではあったが、次世代を担う民主党指導部候補という点ではかならずしも筆頭に挙げられていなかっ