新外務大臣・茂木敏充のことばに、外務省の講堂には、一瞬、微妙な緊張が走ったあと、笑いが起きた。 9月17日、新旧外務大臣の交代式でのことだ。 「記録」とは、河野が在任2年1か月で訪問した国と地域の数のこと。その数、延べ123。外務省によると、確認できるかぎり過去最多だ。 ともに「ポスト安倍」と目される河野と茂木。そつのない茂木は、ライバル意識をのぞかせつつ、 「世界地図を塗りつぶすような外交を展開してきた。野球で言うと王貞治選手のホームラン記録で、とても乗り越えることは無理だ」 と、河野本人を前に、持ち上げることも忘れなかった。