生活費を稼ぐための仕事は創造的探究とは対極にある――と思われがちだが、さにあらず。芸術家たちはいつの時代も「仕事」をもっていた。はたして創作以外の仕事は創作にいい影響を与えるのだろうか? PHOTOGRAPH BY MARI MAEDA AND YUJI OBOSHI かつて、アーティストが二足のわらじを履いていた時代があった。といっても「ベルディの新作オペラを買うよう議会図書館に提案する」といったいかにもそれらしい仕事ではなく、芸術とはおよそかけ離れた職業をかけもちしていたのだ。選挙演説のネタにされるような、ごく「普通の職業」との両立である。 たとえばT・S・エリオットは、日中は勤務先のロイズ銀行で外国籍の口座を管理するかたわら、夜の時間を使って『荒地』(1922年刊行)を書きあげた。詩人のウォレス・スティーブンズは保険会社に勤務して、不動産の権利に関する法務を任されていた。彼は約3キロ
![アーティストたちの もうひとつの「仕事」 - T JAPAN:The New York Times Style Magazine 公式サイト](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/59713f2131cd647fd3e35a48ae80b297147b4101/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fd1uzk9o9cg136f.cloudfront.net%2Ff%2F16783302%2Frc%2F2018%2F08%2F16%2F76dbd58bbb1a4af44ed57067d67270532c89e783_xlarge.jpg)