イベント、SNS、オンラインコミュニティ、出版……書籍販売以外にさまざまな企画を打ち立てる青山ブックセンター(ABC)。書店をめぐる苦境、そこからの脱却を図るのは、店長の山下優さんだ。正解がないこの時代に、山下さんは書店をどう定義し、どうアップデートしようとしているのか。 「出版業界の絶頂」を知らない世代の企み 20年以上にわたり叫ばれ続けている出版不況。 帝国データバンクの「出版関連業者の経営実態調査」(2019年9月26日)によると、出版社、出版取次をはじめ、業界全体で売上高は減少傾向。厳しい現実に直面している。 とくに崖っぷちに立たされているのが、書店だ。 そんな書店をとりまく状況にあらがうかのように、さまざまな企画を仕掛け、注目を集めている書店が、渋谷区神宮前に店舗を構える「青山ブックセンター(通称:ABC)」だ。 ABCでは、従来の書籍販売に加え、イベントや講座、ワークショップの