「シアンクレール(Champ Clair)」は 京都市上京区河原町、荒神口の電停前にあった。 彼女が通っていた立命館大学広小路学舎から近い場所にあった。外壁はレンガで二階建て。 1969年に入ってから 頻繁に通うようになった。 彼女は、ここでコーヒーやウィスキーを飲みながら、本を読み、ジャズを聴いていた。最初はクラシックを目当てに来ていたが、次第にジャズに引き込まれていった。 彼女にとっては、自分のアパート以外で、唯一安らげる場所だったのかも知れない。バリケードからここに通い、そしてバイトの時間ぎりぎりまで粘るという日々を送っていた。5月13日付けのメモ「○学生であるあなたへ!私のAgitation より」も、しあんくれーるで書かれている。