前回では、日本史における「夫婦別姓」を話題にしました。 ただ厳密に言うならば、この「姓」というのは問題です。古代だったらこれは「氏」というべきところなのだ。日本史における「氏-姓-名字-苗字」の変遷関係は、ひどく混乱しています。 僕にもわからないことが多いのだが、今回は、この問題をなるべく簡単に整理します。(間違ってるかもしれないので、メールにてご教示をいただけると幸いです) ◆血統の「氏」 まず「氏/うじ」は血統集団の名称です。鴨氏・物部氏・大伴氏・吉備氏・尾張氏などがこれにあたる。ただ王族には「氏」の名はありません。これが王族から臣籍へ降下すると、源氏・平氏など「氏」の名が与えられた。これはいちおう簡単です。 ◆カーストの「姓」 いっぽう「姓/かばね」は厄介です。これはほんらい古代の氏族を、政治的に分類・格付けしたものでした。【連/むらじ】【臣/おみ】【村主/すぐり】【吉士/き