津田大介: 今、キュレーションはメディアビジネスやジャーナリズムにおいても注目されているので、僕はその観点からお話ししたいと思います。 僕の本業はジャーナリストですが、メディア・アクティビストとして、どうやってメディアビジネス、つまりはキュレーションみたいなものをお金に変えるか、ということにずっと取り組んできました。例えば、2007年に立ち上げたナタリーというサイトでは「音楽、コミック、お笑い」の情報を記事にして毎日発表しています。運営会社のナターシャは、現在、年商3億円ぐらいです。 ナタリーの記者は何をしているのかというと、毎朝、何百何千というサイトをチェックして、ネタを拾います。そうして拾ったネタを、読者が知りたい情報に加工します。例えば、あるミュージシャンの「新譜が出る」というネタを拾ったら、それだけではどんな曲かわからないので、レコード会社や事務所に取材して聞き出し、元ネタに情報を