もう元には戻れない――。コロナ禍を受けて、働く側も、企業も、そして自治体や自治体も模索が続く。過去の延長線上に、新たな社会は構築できない。社会を再構築するにあたって求められる重要な視点のひとつが、ジェンダー目線である。 政治の世界においては、女性活躍推進といいながらも、働く女性の「ケア労働」に対するフォローが欠けていたことが、今回のコロナ禍で明らかになった。働く女性は職場の仕事に加えて家事育児・介護といったケア労働を担い、ダブルワーク、トリプルワークになっている。日本はOECD諸国のなかで最も、有償労働は男性に偏り、無償労働は女性に偏っている。日本人女性の有償労働、無償労働を足し合わせた総労働時間は日本人男性よりも長く、OECD諸国のなかで最長である。付言するなら、日本人女性の睡眠時間は最も短い。女性が輝く社会というキャッチフレーズの裏には、女性が睡眠時間を削って無償労働を担う姿がある。
![「女性にリーダーは向かない」というジェンダー・バイアスをなくそう/野村浩子 - SYNODOS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/892d66ef5cbef32bc495dc7db91ca498473bbe85/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsynodos.jp%2Fwp2%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F06%2Fbusinesswoman-453487_640.jpg)