(池田 信夫:経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長) 12月21日、日本医師会など9団体は、異例の医療緊急事態宣言を出した。それによると「このままでは、新型コロナウイルス感染症のみならず、国民が通常の医療を受けられなくなり、全国で必要なすべての医療提供が立ち行かなくなります」という。 たしかに医療現場は大変だろう。感染が拡大していることも事実だが、ヨーロッパでは感染爆発が起こっている。それよりはるかに死者の少ない日本で、医療が崩壊するというのは本当だろうか。 コロナ患者の診療拒否は合理的 まず日本の現状を数字でみてみよう。下の図のようにヨーロッパでは人口10万人あたりの累計死者が100人に達するのに対して、日本は2.4人。ほぼ40分の1である。日本で医療が崩壊するなら、ヨーロッパは全滅しているだろう。