21世紀最初の年、2001年の飲食業界を振り返ったとき、「カフェ」は、時代を象徴する、外すことのできないキーワードのひとつとして将来の業界年表に刻まれることだろう。 そもそも、「カフェ」とはフランスで有名な街角の飲食店のことであり、その利用のされ方は日本の喫茶店に近いものだ。一人あるいは少数の人間が、コーヒーを飲みながら会話を楽しんだり、商談を行ったり、本を読んだり、軽い食事を摂ったりといったために利用する飲食店で、その多くはオープンテラスの形式で、テーブル会計を行うスタイルで営業している。パリには、サンジェルマン・デ・プレの中心にある「ドゥ・マゴ」など老舗のカフェが数多くあり、文化人達の溜まり場としても知られている。 しかし、現在、東京などを中心に流行している「カフェ」と呼ばれる一連の店舗は、こうした本場フランスのカフェとは少しばかり異なった経緯で生まれた飲食店のグループであると言える