ここでも想定外 被災地医師会 対応マニュアル「何の役にも立たなかった」 宮城県の気仙沼市医師会は昨年10月、近い将来の発生が確実視されていた宮城県沖地震に備え、市と連携した対応マニュアルを策定したばかりだった。今回の震災はその想定をはるかに上回り、「何の役にも立たなかった」(医師会事務局)のが実情だった。 マニュアルでは、震度5以上の地震が発生した場合、医療機関が電話やファクスなどで施設の被害状況や診療が可能かどうかを医師会に知らせる手はずになっていた。 しかし、停電などで通信機能が失われたばかりでなく、医師の多くが避難所暮らしを余儀なくされ、医師会職員が避難所を回り、安否確認をしなければならない状況だった。市災害対策本部に入り、連絡調整に当たるはずだった医師会副会長も被災して動きが取れなかった。 壊滅的被害を受けた南三陸町も医師会の管轄地域だが、町内にいる医師の誰とも連絡が取れず