政敵同士だった山縣有朋と大隈重信。そんなふたりの自宅は近い距離にあり、山縣は丘上、大隈は丘下に住んでいました。いったいなぜでしょうか。地形散歩ライターの内田宗治さんが解説します。 自分の家が、仕事上で敵対するライバルの家から見下ろされる場所にあったら、あなたはどんな気持ちがするでしょうか。例えばライバルの家が、近くの眺めのいい丘の上にある、といった位置関係です。見下ろされる側は、敵意が増してきそうな気もします。 こうした状況が、超大物政治家同士で現実にありました。第3・9代総理大臣の山縣有朋と第8・17代総理大臣大隈重信の関係です。それぞれの邸宅は300mほどしか離れていず、山縣邸が大隈邸を眼下にします。 現在では、かつての山縣邸が椿山荘(文京区関口)、大隈邸が大隈庭園(新宿区戸塚町)になっていて、敷地に入ることができるのも、興味をさらに深くさせてくれます。