ものを作っていると、当たることも外れることも、そして時には信じられないくらい大当たりすることもある。 他人に見せることを前提にしていないアウトサイダーアートを除くと、多くの人が人に評価される大当たりを目指してものづくりの勝負を続けているわけだが、今日は一度当たったあとの話。 一度大ヒットとなる「代表作」ができると、その後の人生は一見楽になるように見える。 例えば作曲家なら名前が売れ、「○○(代表作)のような曲を作ってください」という依頼がたくさん来るようになるし、初対面の相手が「○○の作者さんですか!」と自分を知っている状態も多くなる。 著名になり、収入が増え、人間関係が変わり、いいことづくめに見えるが、問題はそこで人生が終わるわけではなく、その後も「ものづくり人生」は続くということ。 代表作以後の戦いの中で、過去の大当たりが徐々に呪いのように作用する様子を、僕は本当にたくさん見てきた。