1. ドラマ『名探偵ポワロ』の家事使用人描写と考察 『オリエント急行の殺人』この作品は、鉄道という閉鎖空間で行われた殺人事件の「容疑者全員が犯人である」、という画期的なストーリーとなっています。しかし、家事使用人研究者からすれば、もっと大切なことがあります。それは、「オリエント急行の殺人」は「家族と使用人たちの物語」である、ということです(以下リンクのシーズン6/65話)。 時は1938年。パレスチナでの事件を解決し、イスタンブールへ戻るポワロ。滞在するはずが、ある事件で呼び出しを受けて、急遽、帰国するためにオリエント急行の予約をします。ところがこの時期にしては珍しく、予約でいっぱいでした。困っているポワロを助けたのは、現地で再開したブークでした。彼はポワロと同じベルギー人で、かつオリエント急行を運営する会社の重役でした。 その後、ポワロが乗車したオリエント急行で殺人事件が起こります。殺害
![家事使用人の物語としての『オリエント急行殺人事件』と、スーシェ版、ブラナー版について|久我真樹](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9c406ae646f346761abe04ef69bceea3c0e2f2e3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F8956413%2Frectangle_large_type_2_f0205147095621ab6c69628d2b99fa8a.jpg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)