同い年の友人に、水野仁輔という人がいる。彼をひとことで説明するのはむずかしい。東京カリ〜番長という組織を主宰していて、会うと、いつもカレーのことを話している。カレーの本は何十冊も出しているし、もっと自由にカレーの本を出したいから専門の出版社までつくってしまった。彼の本でぼくが最高にウケたのは『カレーになりたい』という1冊だ。カレーへの愛の深さが無限大である。最近では、ほぼ日と「カレーの学校」なんてこともしている。 少し前に、はあちゅうさんを交えた作家論争というのがあったが、「作家」というのは、その人の生き方、在り方を表した言葉だ。自分の中からわき上がってくるものがあって、それをよく観察して表現する。そういう人の事を作家という(だからもちろん、はあちゅうさんは作家だ)。 そういう意味で、水野仁輔は、カレーにまつわる作家である(糸井重里さんは彼のことを「カレースター」と言った。たしかに!)。