特に日本人による経済啓蒙書の類*1では頭が捻りすぎてスジを違えそうな岩波書店の出版物の中で、最近出たもっとも良質の経済書。 本書の冒頭にあるように、よくある大部の経済学教科書との対比を意識してて、発展途上国の問題、環境問題など、現実的な話題の中で経済的思考を問うものになっている。同様の啓蒙書では、例えば僕がよくお手本にしているハーフォードの『まっとうな経済学』などがあるのでそれと併用して、その後で経済学の割とスタンダードな構成の教科書(マンキューの下に上げたもの)をやるといいんじゃないか、と思う。 ところでこのダスグプタの本のシリーズにビンモアのゲーム理論の本もあり、この本は名著なので早く翻訳が望まれる。 経済学 (〈一冊でわかる〉シリーズ) 作者: パーサ・ダスグプタ,植田和弘,山口臨太郎,中村裕子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/07/25メディア: 単行本購入: 4人