今年4月、楠木建氏は長年勤めた一橋大学を定年前に退職し、教授から特任教授に移った。その選択の背後にある楠木氏独自のキャリア観とは。 「第1回:4速へのギアチェンジ。」 「第2回:水揚げ。」はこちら> 「第3回:2度目のディープインパクト。」はこちら> 「第4回:競馬で言う『脚が残っている』感覚。」はこちら> ※本記事は、2023年4月4日時点で書かれた内容となっています。 僕の仕事の土俵は自分なりの論理を提供することです。分野は競争戦略。実際に商売をしている人に向けて、競争の中で長期利益が生まれる論理を生産し、供給する。社会レベルで言えば、日本国の税収増大が僕のパーパスです。向かう先を大まかに決めておいて、あとは「川の流れに身をまかせ」というのが僕のキャリアの方針です。 川の流れに身をまかせるにしても、いい感じで流れに乗っていくことが大切です。そのためには、自分のキャリアが今どんな段階にあ