◆新聞の電子版、課金制の将来は ◇ニューヨーク・タイムズの戦略 米有力紙ニューヨーク(NY)・タイムズが、大幅な人員削減やオンライン(電子版)記事への課金に乗り出し、注目を集めている。「ニュースはタダ」との意識が強い米国では、ウェブサイトの記事閲覧を有料化する新聞社は、まだごくわずかだ。だが08年秋からの景気の悪化で、その可能性を探る動きが活発化している。NYタイムズ紙の生き残り戦略と、課金をめぐる米新聞業界の議論を追った。【ニューヨークで大治朋子】 ■記者100人を削減 昨年12月11日、ニューヨーク・マンハッタンにある「ニューヨーク新聞組合」(1200人)では、ピーター・セイケイ副代表(57)らが、組合員からの電話相談の対応に追われていた。米新聞業界では社内に組合はなく、外部の非営利法人組合に加入する。同組合メンバーの多くはNYタイムズ紙の社員だ。 同紙は昨年10月、記者ら100人を削