トランプ米大統領が20日、中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱する方針を表明し、世界は新たな軍拡競争に入ることが確実な情勢になった。背景には、ロシアの条約違反だけでなく、中国が中距離弾道・巡航ミサイルの配備を進めていることへの警戒感がある。国連が2017年に採択した核兵器禁止条約の批准が進む中での「逆行」に、被爆者らから憤りと懸念の声が上がっている。 「米国が条約を順守し続けるのに、ロシアや中国が核兵器の開発を続けるというのであれば、受け入れられない」。トランプ氏は20日、条約離脱方針を記者団に明かす際、そう強調した。