奥野克巳 立教大学異文化コミュニケーション学部教授 東南アジアの熱帯雨林とその周辺地域に住む人びとを対象に調査研究を進めてきた文化人類学者。 2009年1月30日に、パリで、「遠近法主義とアニミズム('Perspectivism and animism’)」と題して、フィリップ・デスコーラとエドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロによる対談が行われた。ヴェルヴェトボイスの低音のデスコーラに対して、ヴィヴェイロス・デ・カストロが、襲いかかるように挑んでいく。ヴィヴェイロス・デ・カストロは、デスコーラは、せっかく西洋思考を破壊するための爆弾を仕掛けたのに、それを取り除いてしまっているのではないかという。 しかし、ほんとうにそうなのか。自然がたんなる材料ではなく、高度に論争的なトピックへと移行した現代において、人類学にとって、新たな輝かしい時代の幕開けではないのかと、対談をまとめたブルーノ・ラ