私は怖い話が大好きなので、夏になり怪談特集や心霊ドラマなどが増えてくると、欠かさずチェックしている。だが、基本的には「好き」なのだけれど、時々気分が乗らない時がある。「なんか、怖いから観たくない」と思う。これはおかしな話で、そもそも怪談は「怖い」のだ。いつもはそれを求めているくせに、突然「怖い」を避けたくなる。…恐怖ってそもそもなんだろう? 『恐怖の構造』(平山夢明/幻冬舎)は、ホラー作家の名手である著者が、「恐怖」のメカニズムを徹底考察した「『怖い』の理由が分かる」1冊だ。 ■なぜピエロは恐ろしく見えるのか…その理由は? 最初に言っておきたいのは、本書は「怖い理由を探る」というテーマなので、本書自体に「恐怖」はない。なので、「自分ってどうしてこんなに怖がりなんだろう?」とビクビクと思っている人も、安心して(笑)読めるのではないだろうか。 もちろん、ホラー大好きな読者には強力にオススメでき