ある晴れた気持のよい気候の午後、突然あなたの家のポストに小包が投げ込まれた。階段をのぼってくる足音の荒々しさ、投げ込み様からは普通の郵便局員による行為とは思えない。小包の消印はリオ・デ・ジャネイロ、封を開くと古いノートの束が入っていた。ノートの紙が繊維に戻ってしまう程古くはないそのノートは、いつの時代のものか判断できない。ごくシンプルな表紙のものもあれば、狸のイラストが描かれているものもあった。狸のイラストからは吹き出しが出ており、(じっと我慢の子ダス)と話していた。そのイラストの画調からも、台詞まわしからも、時代を推測することはできなかった。表紙を開くと日本語でさまざまな文章が書き込まれていた。何気なく一冊目のノートを手にとったあなたは、窓の外がうす暗くなっても部屋の灯りをつけるのも忘れて読みふけりはじめた。 煙草を吸う理由として、間をもたせるために吸うと答える者が少なからずいることは周