.NET Framework対応のアプリケーションが扱う文字列に,4バイト長で1文字を表す「サロゲート・ペア」が含まれる場合,文字列操作にどのような影響があるだろうか。.NET Frameworkの文字列操作には,ユーザー・インタフェースやファイル操作,プログラム内部での処理など様々な形態が考えられる。ここでは,基本的な振舞いを見極めるために,文字列処理において最も基本的で頻繁に利用されるStringクラス(Stringオブジェクト)に着目し,2回に分けて検証する。 Stringクラスには,メソッドやプロパティなどの構成メンバーが,50個くらい定義されており,それを一つひとつ詳細に解説するのはきりがない(注1)。ここでは,今後皆さんが,.NET Framework環境でサロゲート・ペアに対応したアプリケーションを構築する際にヒントや留意点を導き出せるように,Stringクラスの代表的な機能