電力配電系統へのサイバー攻撃をいち早く検知できる手法を、東京工業大学の石井秀明(いしい ひであき)准教授らが開発した。 電力網へのサイバー攻撃は大規模停電など社会に大きな影響を与えることから、対策が急がれている。しかし、これまでは発電所から変電所までを結ぶ送電系統への攻撃に対する研究が中心だった。研究チームが変電所から事業所、一般家庭など需要家をつなぐ配電系統に着目したのは、太陽光発電などの再生エネルギーを大量に導入すると、配電系統へのサイバー攻撃の危険性が増すと予想されるため。再生エネルギーによる発電量は昼夜、天候差による変動が激しく、配電系統内の電圧変化も複雑になる。計測データに応じて配電線の接続状態を即時に制御する必要が生じ、電圧センサーや開閉器を多数設置しなければならない。それに伴い計測データや制御指令情報などを即時にやりとりする通信量も増加する結果、通信を狙ったサイバー攻撃の危険