『デッドプール』。世界中の劇場でこれまでに5億ドル(約570億円)を超える興行収入をあげているこの映画は、型破りな大ヒット作品だ。汚い言葉が飛び交うアンチヒーロー物で、鑑賞を制限する「R指定」扱いとなっている。だがある重要な一点において、ハリウッドが打ち放ったヒット作の多くと共通する側面がある。それは、世界的に有名な俳優の力に頼っていない点だ。 その一方で、大物俳優を売り物にして製作したにもかかわらず、集客に苦労している最近の作品が2つある。ジェニファー・ローレンス主演の『JOY』 とウィル・スミス主演の『Concussion』(原題。「激しい振動」「脳震とう」の意)だ。この2つの作品は盛大な宣伝を繰り広げ、米国ではクリスマス当日に公開日を当てたにもかかわらずヒットしなかった。 どちらも国内の興行収入では制作費を回収できていないし、海外でも苦戦している。一体どうなっているというのか。ジェニ