帝京大学八王子キャンパス(東京都八王子市)の敷地内から出土した9世紀前半につくられたとみられる土器が、東北地方にかつて住んでいた「蝦夷(えみし、エミシ)」の特徴を備えたものであることが、同大学などの分析で分かった。当時は、東北支配を強める朝廷と反発するエミシとの戦いが続いていた時期。捕虜となったエミシの一部は全国に移住させられたといわれているが、関連を示す遺物が発見されるのは異例で、今も謎が多いエミシの実態を知る貴重な資料となりそうだ。(橋本昌宗) 発見された土器は「赤彩球胴甕(せきさいきゅうどうがめ)」と呼ばれるもので、瓶(かめ)の胴部分が大きく広がり、「ベンガラ」と呼ばれる赤い顔料が塗られているのが特徴。瓶口の下部には、縦方向に線を引くような模様も描かれていた。 同キャンパス内にある帝京大総合博物館によると、土器は平成8~9年、大学敷地内の整備工事に伴う発掘調査で見つかった。多摩地区で