そうつぶやいたのは「日本シーサート協議会」の専門委員である山賀正人氏だ。“CSIRT研究家”の肩書も持つ同氏は、CSIRTの現状やどのように考えているのだろうか。 今回、山賀氏には日本シーサート協議会の専門委員としてではなく、一人のCSIRT研究家として、CSIRTの本来あるべき姿を率直に語ってもらった。CSIRTがバズワードとなり、あるべき姿から乖離(かいり)した結果、いかに“手の届かないもの”となっているか。どうすれば、CSIRT本来の働きを取り戻せるのかを聞いた。 “CSIRT”という言葉を一度忘れよう 組織構築をゴールにしない 山賀氏は、現状の企業のCSIRT運用について「CSIRTという言葉は一度忘れた方がいい」と指摘する。 この発言の意図は、経済産業省(以下、経産省)による「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer1.0」の公開(2015年12月)が関係してくる。同レポートが